無気力な君の溺愛は甘すぎる

「えっと、遅刻しないように急いで教室までいってくださいねっ!!」

下駄箱に着き、イケメンくんの方へ向きながら言うけど、返事はない。

だ、大丈夫かな…。

若干の不安を抱えながら、私は靴を履き替え、早歩きで教室に向かう。

…後ろの方で小さく笑い声が聞こえた気がしたけど、気のせいだと思う。


***

…まだ先生は来ていないみたい。
HR前ギリギリに教室に入れてほっとする。

ほっとしたのもつかの間、自分の席が分からないことに気付く。

困って周りを見渡していると。

「どうしたの?」

後ろから誰かが話しかけてくれた。
振り替えると。
そこには、アッシュブラウンのミディアムヘアに、ぱっちりとした目。

おしゃれな雰囲気の、可愛らしい女の子が立っていた。

それはもう、女の子の私でも惚れちゃいそうなぐらい可愛い。

「…?」

可愛い女の子が不思議そうに首をかしげる。
いけない…またじっと見てしまった…。

「大丈夫ですっ! あの私、花園 萌って言います! 一週間休んでて…それで自分の席が分からないんですけど、知ってませんか…?」

「あぁ、花園さん! 花園さんの席なら私の隣だよ」

納得したよつにさらっと言って、にっこり微笑む可愛い女の子。

「えっ!?」

「こっちだよ」

凄い偶然に驚いたままの私を、席に案内してくれる。

「あ、私結城 愛乃(ゆうき あやの)愛乃でいいよ、同い年だし敬語も! よろしくね?」

「うん! よろしね、愛乃ちゃん! 私も萌でいいよ!」

「ふふっありがとう、萌」

萌花ちゃんに案内された席についた私と同時に、先生が入ってきた。