無気力な君の溺愛は甘すぎる

ふわふわの白髪。
少し長めの前髪から見える、形のいいアーモンド型の気だるげな目。

スラリと通った鼻筋に、小さく薄い唇。
耳には髪と同色のピアス。

…俗に言うイケメン。

でも、雰囲気がピリピリしてるというか。
ちょっと怖いかも…。

「……なに」

「い、いえ…」

目の前のイケメンくんのことをじっと見ていたら、イケメンくんが話かけてくるの反射で答えてしまった。

──キーンコーンカーンコーン。

ちょうどその時、学校のチャイムが鳴った。

あっ…完全に学校のことを忘れていた。

私は、目の前のイケメンくんに話しかけられていた事も忘れて走り出そうとするけど、イケメンくんは動かない。
イケメンくんにもチャイムの音は聞こえていたはずなのに…。

「あの…学校、行かないんですか…? 遅刻しちゃいますよ…?」

気づいたら私は、イケメンくんに話しかけていた。

「別に遅刻とかどうでもいいし」

「えっ!? ま、まだ走れば間に合いますよっ!」

心底めんどくさそうに話すイケメンくんに私はそれとなく説得してみようとする…けど。

「…いいって、走るのめんどくさい」

「そ、そんなめんどくさいばかり言ってるとナマケモノになっちいますよ……!!」

…変なことを言ってしまった。
初対面の人に。多分私の顔は、りんごのように真っ赤になっているだろう。

「……は?」

数秒の間の後にイケメンくんの間の抜けた声が聞こえる。恥ずかしくて顔をあげれないが、きっと惚けた顔をしているのかもしれない。

「あ、えっと、と、とりあえずっ!! 行きましょう!!」

もう勢い任せで話を進めることにした私は、イケメンくんの袖の裾を掴み、走りし始める。

―――そしてやっとの思いで校門をくぐり抜けた。
気分は長距離マラソンを走りきった後のような疲れと達成感の狭間。