もうすぐ終わり。
思うのもつかの間,ゴンドラはもといた場所に到着する。
「お疲れさまでーす。足元お気をつけくださいね」
「「ありがとうございます」」
ん,とつまる。
どこか嬉しそうな彼の瞳を見ながら,私はゴンドラを降りた。
「さっきの返事はないんですか?」
バレたか。
黙ったまま思案する。
なんと返そうか。
すこし迷っていると,彼が私に半歩寄せて歩き始めた。
見上げると,待っていたかのように目が合う。
「じゃあ,聞き方を変えます。……僕と,付き合ってくれないの?」
ニ虎さん,と。
どうしてこうもむず痒く響くのだろう。
彼が,私の手を絡めるように握った。
それを,嫌だとは思わない。



