(どうしよう……、千鶴ちゃん)
一人残された花純は、込み上げる涙を懸命に堪えていた。
「お水、どうぞ」
コトッとグラスがテーブルに置かれて、花純は顔を上げる。
「滝沢くん……」
「ごめん、聞こえちゃった」
「えっ……」
それは、つまり……
(滝沢くんも、私が光星さんとつき合ってることを知ったってこと?)
花純は慌てて口を開く。
「ごめんなさい! 滝沢くんにも黙ってて。本当はお盆に4人で飲んだ時……」
「いいよ、別に。話さなきゃいけない義務なんてないし。それに俺が告白した時も、返事は今するなって言ったの俺だから」
「だけどバーで飲んだあの時、ちゃんと滝沢くんにも千鶴ちゃんにも伝えるべきだった。そうすれば……」
「ああ、杉崎さんは上条さんに告白しなかったかもね。けど俺は、そんなの関係なく森川さんに告白したと思う」
え……と、花純は言葉を失う。
「だって、言わなきゃ諦めつかないから。じゃね」
そう言ってカウンターに戻る滝沢を、花純はただ呆然と見送った。
一人残された花純は、込み上げる涙を懸命に堪えていた。
「お水、どうぞ」
コトッとグラスがテーブルに置かれて、花純は顔を上げる。
「滝沢くん……」
「ごめん、聞こえちゃった」
「えっ……」
それは、つまり……
(滝沢くんも、私が光星さんとつき合ってることを知ったってこと?)
花純は慌てて口を開く。
「ごめんなさい! 滝沢くんにも黙ってて。本当はお盆に4人で飲んだ時……」
「いいよ、別に。話さなきゃいけない義務なんてないし。それに俺が告白した時も、返事は今するなって言ったの俺だから」
「だけどバーで飲んだあの時、ちゃんと滝沢くんにも千鶴ちゃんにも伝えるべきだった。そうすれば……」
「ああ、杉崎さんは上条さんに告白しなかったかもね。けど俺は、そんなの関係なく森川さんに告白したと思う」
え……と、花純は言葉を失う。
「だって、言わなきゃ諦めつかないから。じゃね」
そう言ってカウンターに戻る滝沢を、花純はただ呆然と見送った。



