「上条さん、普段は自宅でテレワークなんですか? まったくお会いしないので」
「いや、ちゃんと出社してるよ」
「ほんとにー? かなりのレアキャラですね」
「朝早くて夜遅いからね。食事も、滝沢くんにオフィスまで届けに来てもらったり、秘書に作ってもらったりで、あまり出歩かないんだ」
えっ!と千鶴は驚く。
「秘書の方が食事を作るんですか? もしかして、恋人とか?」
「ははっ、それはない。断じてない」
「そうなんですね」
千鶴はホッとしたように言うと、運ばれてきた料理を取り分ける。
「お盆なのに仕事なんてってふてくされてたけど、いいことあったなー。上条さん、はい、どうぞ」
「ありがとう」
繋いでいた手をようやく開放され、花純はふう、と息をつく。
料理を食べながら、千鶴は終始ご機嫌だった。
「まだ時間も早いし、このあともう一軒どうですか? ねえ、花純」
え、あの、と口ごもっていると、光星が申し訳なさそうに顔をしかめた。
「ごめん、まだ仕事が残ってるんだ。そろそろ戻らないと」
「ええ!? これからまだ?」
「そう。深夜のシステムメンテナンスだから、明日に回すわけにもいかなくて」
そっかあ、と千鶴は残念そうに言う。
「じゃあ、そろそろ失礼するよ。君たちはどうぞごゆっくり」
そう言うと光星は立ち上がり、さり気なく伝票を手にして去って行った。
「いや、ちゃんと出社してるよ」
「ほんとにー? かなりのレアキャラですね」
「朝早くて夜遅いからね。食事も、滝沢くんにオフィスまで届けに来てもらったり、秘書に作ってもらったりで、あまり出歩かないんだ」
えっ!と千鶴は驚く。
「秘書の方が食事を作るんですか? もしかして、恋人とか?」
「ははっ、それはない。断じてない」
「そうなんですね」
千鶴はホッとしたように言うと、運ばれてきた料理を取り分ける。
「お盆なのに仕事なんてってふてくされてたけど、いいことあったなー。上条さん、はい、どうぞ」
「ありがとう」
繋いでいた手をようやく開放され、花純はふう、と息をつく。
料理を食べながら、千鶴は終始ご機嫌だった。
「まだ時間も早いし、このあともう一軒どうですか? ねえ、花純」
え、あの、と口ごもっていると、光星が申し訳なさそうに顔をしかめた。
「ごめん、まだ仕事が残ってるんだ。そろそろ戻らないと」
「ええ!? これからまだ?」
「そう。深夜のシステムメンテナンスだから、明日に回すわけにもいかなくて」
そっかあ、と千鶴は残念そうに言う。
「じゃあ、そろそろ失礼するよ。君たちはどうぞごゆっくり」
そう言うと光星は立ち上がり、さり気なく伝票を手にして去って行った。



