光星がパソコンをカタカタと操作し始めると、臼井がデザートプレートを花純の前に置いた。
「よろしければ、どうぞ」
美しいゼリーのようなお菓子をひと目見た花純は、テンションが一気に上がる。
「わあ、なんて素敵!あ、もしかして七夕の和菓子ですか? 今日って7月7日ですものね」
目を輝かせる花純に、臼井は指を揃えてお菓子の説明をする。
「ええ。こちらは寒天と砂糖を煮詰めた錦玉を、空色の青から紫へとグラデーションに染め、金箔をちりばめました。両側に星を2つ閉じ込めてあります」
「天の川ですね、なんて綺麗なの……」
花純は両手を組んでうっとりと見つめた。
臼井は更に、箱を差し出す。
「それからこちらは、お土産用にお包みしました。ご自宅で召し上がってください。アイシングクッキーでございます」
「えっ! 開けてみてもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
そっとフタを開けた花純は、感嘆のため息をつく。
「なんて可愛いの。織姫と彦星ね。それにこの星のデザインも、とっても繊細で素敵」
しばし見とれてから、顔を上げて臼井に尋ねた。
「このクッキーを、私のアイコンに設定してもいいですか? ずっと桜のままだったから」
「えっ! それはもしや、私のクッキーの桜ですか?」
「そうです。勝手にごめんなさい」
「いえ、そんな。どうぞお使いください」
「はい! ありがとうございます」
花純はスマートフォンで写真を撮ると、アイコンを変更して満足気に笑う。
「出来た、ほら!」
「おお、いいですね」
微笑み合う花純と臼井に、光星はもはや冷静ではいられない。
(近いぞ、臼井。お前、高校時代は鉄仮面ってあだ名だったのに、なんだよそのデレデレした顔は)
パソコンをいじりながら、ちらちらと二人の様子をうかがう。
「臼井さん、アイシングクッキーってやっぱり難しいですか? 私、自分でも作ってみたいんですけどハードルが高くて……」
「意外と簡単ですよ。アイシングクリームの硬ささえ上手くいけば、あとは塗り絵とお絵描き感覚です。ちょうど材料が残っているので、森川さんもやってみますか?」
「いいんですか? はい! よろしくお願いします」
「ふふ、ではすぐに用意いたしますね」
「よろしければ、どうぞ」
美しいゼリーのようなお菓子をひと目見た花純は、テンションが一気に上がる。
「わあ、なんて素敵!あ、もしかして七夕の和菓子ですか? 今日って7月7日ですものね」
目を輝かせる花純に、臼井は指を揃えてお菓子の説明をする。
「ええ。こちらは寒天と砂糖を煮詰めた錦玉を、空色の青から紫へとグラデーションに染め、金箔をちりばめました。両側に星を2つ閉じ込めてあります」
「天の川ですね、なんて綺麗なの……」
花純は両手を組んでうっとりと見つめた。
臼井は更に、箱を差し出す。
「それからこちらは、お土産用にお包みしました。ご自宅で召し上がってください。アイシングクッキーでございます」
「えっ! 開けてみてもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
そっとフタを開けた花純は、感嘆のため息をつく。
「なんて可愛いの。織姫と彦星ね。それにこの星のデザインも、とっても繊細で素敵」
しばし見とれてから、顔を上げて臼井に尋ねた。
「このクッキーを、私のアイコンに設定してもいいですか? ずっと桜のままだったから」
「えっ! それはもしや、私のクッキーの桜ですか?」
「そうです。勝手にごめんなさい」
「いえ、そんな。どうぞお使いください」
「はい! ありがとうございます」
花純はスマートフォンで写真を撮ると、アイコンを変更して満足気に笑う。
「出来た、ほら!」
「おお、いいですね」
微笑み合う花純と臼井に、光星はもはや冷静ではいられない。
(近いぞ、臼井。お前、高校時代は鉄仮面ってあだ名だったのに、なんだよそのデレデレした顔は)
パソコンをいじりながら、ちらちらと二人の様子をうかがう。
「臼井さん、アイシングクッキーってやっぱり難しいですか? 私、自分でも作ってみたいんですけどハードルが高くて……」
「意外と簡単ですよ。アイシングクリームの硬ささえ上手くいけば、あとは塗り絵とお絵描き感覚です。ちょうど材料が残っているので、森川さんもやってみますか?」
「いいんですか? はい! よろしくお願いします」
「ふふ、ではすぐに用意いたしますね」



