「どう? 最近。忙しい?」
二人で低層階エレベーターに乗ると、光星が花純に尋ねる。
「今月は忙しかったですが、来月は梅雨時期なので少し落ち着きます。そのあとは怒涛の夏休みですね」
「あー、なるほど。旅行業界だもんな」
「でも現場の人は、オフィスの私たちとは比べ物にならないほど忙しいので、泣き言は言えません。上条社長は? 相変わらずお忙しい毎日ですか?」
「ん? まあ、そうかな。仕事が好きだから苦じゃないけどね」
「そうですか。でもくれぐれもお身体大切になさってくださいね」
「ありがとう。君も」
1階に下りると、「それじゃあ」とそれぞれ別のエレベーターに乗り換えた。
(あ、そう言えば上条社長に何かお礼をしたいと思ってたのに、まだだったな)
先月、パニーニをさり気なく差し入れてくれたことを思い出す。
(でも難しいよね。社長ともあろうお方にお礼の品なんて、考えても何がいいのか分からない)
それで今まで先延ばしになっていた。
だがそろそろちゃんと決めたい。
花純は、うーん、と考えあぐねる。
(やっぱりあとに残らない物がいいわよね。パニーニとコーヒーのお礼だから、そんなに高価な物じゃなくて、お菓子とか? ううん、あの臼井さん以上のお菓子なんて思いつかない。他に何か、上条社長の好きそうなものって……)
そこまで考えて、ふとあることを思いつく。
ちょうどエレベーターが39階に到着し、花純は1つ頷いてからエレベーターを降りた。
二人で低層階エレベーターに乗ると、光星が花純に尋ねる。
「今月は忙しかったですが、来月は梅雨時期なので少し落ち着きます。そのあとは怒涛の夏休みですね」
「あー、なるほど。旅行業界だもんな」
「でも現場の人は、オフィスの私たちとは比べ物にならないほど忙しいので、泣き言は言えません。上条社長は? 相変わらずお忙しい毎日ですか?」
「ん? まあ、そうかな。仕事が好きだから苦じゃないけどね」
「そうですか。でもくれぐれもお身体大切になさってくださいね」
「ありがとう。君も」
1階に下りると、「それじゃあ」とそれぞれ別のエレベーターに乗り換えた。
(あ、そう言えば上条社長に何かお礼をしたいと思ってたのに、まだだったな)
先月、パニーニをさり気なく差し入れてくれたことを思い出す。
(でも難しいよね。社長ともあろうお方にお礼の品なんて、考えても何がいいのか分からない)
それで今まで先延ばしになっていた。
だがそろそろちゃんと決めたい。
花純は、うーん、と考えあぐねる。
(やっぱりあとに残らない物がいいわよね。パニーニとコーヒーのお礼だから、そんなに高価な物じゃなくて、お菓子とか? ううん、あの臼井さん以上のお菓子なんて思いつかない。他に何か、上条社長の好きそうなものって……)
そこまで考えて、ふとあることを思いつく。
ちょうどエレベーターが39階に到着し、花純は1つ頷いてからエレベーターを降りた。



