【大和SIDE】




大安寺 美桜という存在を、守ってやらなければならないと思ったのはいつだったか。



『大和、お前にたった一つの任務を与える』

……大安寺のジィさんから、〝あの〟命令を与えられたときか?



『いいか、大和。あの女の子を、お前が守ってあげなさい』

……それとも、親父があぁ言ったときからか?




大安寺という巨大な組織の真ん中で、何の力も持たないか弱い美桜を守れと言われたとき、俺は密かに嫌気がさしていた。

〝あんな弱点は、持つべきじゃない〟

そう、思っていたんだ。