結婚なんて、ゼッタイお断り!








ベッドで眠る陽太を看病しながら、ポカポカ陽気に眠気がやってくる。




平日のお昼の時間帯。

大安寺家の人達はみんな外へ出かけていて、この家は今、とても静かだ。




私が普段、学校から帰ってくるころには大抵の家族が出迎えてくれる。

きっと、私の帰宅時間に合わせて家にいてくれているのだろう。

小学生のときから、ずっとそうだった。





「みんな、優しいな……」

頭がコクリ、コクリと下を向く。

だんだんとまぶたが重たくなって、ゆっくりと目をつむったり開いたりを繰り返す。





あぁ、陽太も眠っていることだし、私も少しだけ──……。







「──ちゃん」

「……んっ」

「みーおーちゃん!」

「……あれ、私」




誰かに呼ばれる声がして、ハッと目を開いた。

窓から覗く空の色は、すっかりオレンジ色に変わっていた。




「やっばい!寝過ぎちゃった!」

どうやら私は陽太が眠っているベッドの脇で、うたた寝どころか、ぐっすりと眠ってしまっていたみたいだ。