おじいちゃんが私に結婚相手を選べと言ったのは、きっと私を守るためだ。 どんなときでも、どんなことがあっても、私の一番近くで私のことを守ってくれる存在を見つけたいのだと思う。 でも、そんな人いるわけない。 みんな、私の元から離れていってしまうんだから。 普通じゃない、私の生きる世界。 きっとこれからも、私は普通にはなれないんだ。 「──お前があの大安寺の孫娘か」