実は、私の婚約者候補と呼ばれる三人は、学校であり得ないほどの人気者だった。
伊織は容姿端麗で、成績も優秀。
上品で美しい学園のアイドルと言われるほど、女子達からの人気が爆発している。
大和は金髪の髪の毛にピアスがいくつも付いていて、どこから見ても不良そのもの。
だけど、背が高くてケンカも強くて、そして顔もうんとイケメンだからか、女子からも男子からも人気がすごい。
陽太は可愛い系男子で、学園内の全員と友達のように接している。
あの朗らかな性格と、にっこり笑顔がキュートすぎて、生徒だけじゃなくて先生達までメロメロになっていた。
「(改めて思うと、私の婚約者候補って、みんなすごい人達なんじゃ……)」
中学を卒業したら結婚だなんて、ゼッタイにあり得ないことだけど、この三人が私のそばにいてくれるおかげで、今が学校が少しだけ楽しいと思えている。
「ねぇ、陽太起きなさいってば!」
「……」
「陽太!起きて!」
「……」
「あれ、陽太の体……なんか熱い、かも」
「え?」
「ねぇ、伊織。陽太、熱があるんじゃないかな!」



