結婚なんて、ゼッタイお断り!







なんだかいつもより布団が重たいなと思って見てみると、私の横ですやすやと眠っていたのは陽太だった。





「ちょっと、陽太!?アンタ何やってんの!」

「んー、静かにしてよ美桜ちゃん。僕まだ眠るんだからさぁ」

「自分の部屋で寝なさいよ!ってか、もう朝だし!今日から学校なんですけど!?」

「僕、今日お休みしまぁす」

「ズル休みはダメ!」



どれだけ陽太の体をゆさゆさと揺すぶってみても、布団を全部自分の体に巻き付けてまた寝てしまった。


陽太は遅刻魔だ。

同じクラスになって、もうすぐ一ヶ月。

陽太は毎日のように遅刻して、先生に何度も怒られている。



「(一日十時間くらい寝ないとダメだって言ってたような……)」





──コンコンッ。

「美桜ちゃん?大きな声が聞こえたんだけど、何かあった?」

「あ、伊織!?陽太が勝手に部屋に入ってきてたの!連れ出してくれない!?」

「……中、入るね」