ここまで大急ぎで来てくれたのか、大和は大量の汗をかきながら息を切らしていた。
だけど、それでも止まることなく陽太に加勢して高校生達を圧倒していく。
地面に倒れた三人を、それでも馬乗りになって殴り続ける大和。
「……やめて」
大和のその姿が、怖かった。
目の前で起こっている出来事が、現実だって思えない。
周りにいた人達も、大和と陽太のいき過ぎた行為に逃げ出していく。
「大和……やめてよ」
もう十分だって、言いたいのに。
これ以上殴らないでって、声をあげたいのに。
怖くて、震えて、かすれて、思うように声が出てくれない。
「や、まと……。もう、いいから……」
あぁ、私、怖いんだ。
今、単純に大和のことが――……怖い。



