ドサッと吹き飛ばされた高校生の一人を見て、お祭りを楽しんでいた人達が一斉に驚き始めた。
人達も驚いた様子で私達に注目しはじめている。
だけど、陽太は周りの目なんてお構いなしで、高校生達に向かってケンカを始めようとしている。
「僕ってね?とっても優しいから一度は我慢してあげるんだ。だから最初、ちゃんと注意したでしょ?」
「……くそっ、なんなんだよこいつ!」
「でもお前達はまた、美桜ちゃんに触れた」
「思い出した……っ!こいつ、城華学園の日比野陽太だ!」
「マジかよ!最悪じゃねぇか!」
陽太の名前を口に出した途端、三人の高校生は一気に顔が青くなっていく。
「(陽太って、名前を覚えられているほど有名なの?)」
「ほら、立てよ!お前らは僕とこういうことがしたかったんだよねぇ!」
陽太のその声に、高校生達は大慌てでこの場から逃げようと背中を向ける。
それでも陽太は容赦なく、彼らの服を引っ張ってそれを阻止した。
「──逃さないよ。僕、二度目は許さないって決めてるから」
「クソッ、なんでこんなところに日比野がいるんだ……っ」
「悪かった!俺ら、もう何もしねぇから」
「遅いよ。あのね、美桜ちゃんに触れていいのは僕だけなの。美桜ちゃんは僕のお嫁さんなんだよ?」
「よ、嫁……?」
「それなのに、僕の許可なく勝手に触れたこと……一生後悔させてやるからね?」



