陽太の笑顔を見ると、なぜだか安心感を覚える。
『早く行こうよ!』と差し出された陽太の手を握った。
ギュッと手を握られると、なんだか少しだけ恥ずかしくなる。
「──はいお待ち!たこ焼き二人前だよ!」
ずいぶん長い列に並んで、ようやく買えたたこ焼き。
「いいにおい〜!」
「ねぇ美桜ちゃん!あっちのベンチに座って早く食べよ!ね!ね!」
「わあっ!ちょっと陽太、引っ張んないで転んじゃう!」
陽太に手を引かれながら空いているベンチに座って、白いパックを開けると、かつおとソースの匂いが広がる。
お腹を空かせながら、二人で『いただきます』と声をそろえたとき。
「──かわいいねぇ、キミ」
たこやきを食べようとした手が止まる。
ベンチに座っている私を見下ろしながらそう言ったのは、見知らぬ男子三人組だった。
「ねぇねぇ、俺ら高校生なんだけど一緒に遊ばない?」
「あ、遊びません」
「なんでも好きもの奢ってあげるよ?」
「けっこうです!」
しっかりとノーを突きつけているのに、三人の高校生のうちの一人が私のとなりにドサッと座った。
そして、片方の腕を私の肩にかけて、自分のほうへ引き寄せた。
「──誰の許可取って美桜ちゃんに触ってんだよ」



