「ど、どうしよう陽太!」
「いーじゃん!せっかくだし、僕と二人でデートしようよ!」
「何のんきなこと言ってんの!四人で一緒にいなくちゃ!今日は護衛もいないし……」
「美桜ちゃん、ちょっと心配しすぎじゃない?僕がいるじゃん」
「それはそうだけど……」
「ねぇ、美桜ちゃん?僕だって男だよ?」
「知ってるよ、そんなこと」
「ううん。多分、美桜ちゃんは僕のこと全然知らないはず」
「え?」
「僕、美桜ちゃんが思っているより何倍も強いよ?」
そう言って私を見上げる陽太は、なんだかいつもより大人っぽく見えた。
婚約者候補の中では一番年下で、甘えんぼうな性格。
学校でもみんなから可愛がられていて、人気者の陽太。
「(でも、大安寺組の一員だってことは、実は陽太もすごく強いってこと……なのかな?)」
「無理してあの二人を探さなくても、すぐに向こうから美桜ちゃんのこと探しにくるよ!」
「それもそう、だね」
「でしょ!?だからそれまで僕と二人で楽しも?ね!」
「う、うん」
「美桜ちゃんは何食べたい?僕は次たこ焼きが食べたい!」
「……はいはい、たこ焼きね」



