「そういえば、昨日からこの辺りで夜市祭やってなかったか?」
「夜市祭?」
大和は何かを思い出して、スマホで夜市祭について調べはじめた。
「あぁ、確かにやってるね。商店街の人達がこの時期になったら毎年開催してるそうだよ?」
「それ僕知ってるよ!時間があったら行こうと思ってたんだよね!美味しいものたくさん売ってるし!」
「家の近くでお祭りやってたなんて、知らなかった」
「ちょうど今日の夕方もやってるらしい」
「……!」
「美桜、俺らと一緒に行くか?」
大和の問いかけに顔を上げると、三人とも私の返答を待っているかのようにこちらを見ていた。
「べ、別にどっちでも……」
〝別にどっちでもいい〟
また反射的にそう突っぱねてしまいそうになったとき、ふと、おじいちゃんの言葉が頭をよぎった。
『美桜、少しずつでいい。もっと他人に心を開いてみなさい』
『あいつら三人は信頼できる。ワシが認めた男達だぞ?』



