結婚なんて、ゼッタイお断り!







大和の力強い目で見られると、心臓がドキッと大きな音を立てる。

だからいつも、スッと目を逸らしてしまう。



「えー!美桜ちゃんは僕のものだよ、大和!僕のお嫁さんになるんだから!」

「な、ならないから!ってか、陽太はすぐに抱きついてこないで!」

「だって美桜ちゃんのことが大好きなんだもーん!」




うるうるとした瞳で私のことを見つめる陽太。

実は私、こういう可愛い系の男子に弱いんだよね……!

つい頭を撫でてしまいそうになった手を、グッと握りしめて堪えた。





「(ダ、ダメダメ!危なかったぁ……!)」

「──ふふっ。美桜ちゃんて案外チョロいんだね」

「へ!?」

「あ、ううん!なんでもないよー!」




陽太がまた一瞬だけイジワルな顔になったような……?

ときどき見かける、陽太のこういう一面。

本人はすぐに笑って誤魔化すけど、実は陽太って可愛いだけじゃない……ような気がしている。