結婚なんて、ゼッタイお断り!







「そうやって否定してる割に、美桜の顔は真っ赤だけどな」

「……っ!もう教室戻る!」

「スッ転んでケガしたりすんなよ〜」

「バカにしないで!」



ケラケラと笑いながらからかってくる大和を思いきり睨みつけて、教室へ戻っていく。

みんな結婚、結婚って、いったいなんなのよ!


私のこと、好きでもないくせにどうして簡単に結婚だなんて言えるわけ!?





「……ほんっと、あり得ないんだけど!」

きっと、私と結婚すると何かいいことでもあるんだ。そうに違いない。



例えば、びっくりするくらいのお金がもらえるとか?

それとも、家とか土地とか、宝石とか!?




それくらいの報酬がないと、誰も私と結婚なんてしたがらない。

「そうじゃないと、私と結婚したって……いいことなんか一つもないし」