天…あぁ、もう!あぁ言えば、こう言うんだから!
大和には何を言っても勝てる気がしないのも、また悔しくてたまらない。
「とにかく私、忙しいからもう行く!」
「何が忙しいんだか。美桜、お前友達いないだろ」
「ぐっ……」
なんてデリカシーのない男!
信じられない!こんな男と結婚なんて、ゼッタイになし!お断りだ!
「暇なら俺のところに来いよ。いつでも相手してやるから」
「二年のアンタのクラスになんて、行けるわけないでしょ!先輩とか、怖そうだし……」
まだこの学園に友達はいないけど、クラスメイト達が話している会話はよく聞こえてくる。
例えばバスケ部には厳しい先輩がいるだとか、生徒会の会長はとても怖い人だとか。
「年上だろうとなんだろうと、お前に何か言うヤツなんていねぇよ」
「……そんなの、分かんないじゃん」
「俺が言わせねぇから安心しろ。それに、大安寺の組長と約束したからな……お前のことを守るって」
「おじいちゃんに?」
「だから美桜、あんま俺の目の届かねぇところに行くんじゃねぇ」
「私がどこへ行こうとアンタには関係ないでしょ!?放っておいてよね!」
「関係ある。将来の俺の花嫁を守るのは義務だろ?」
「だから、私は結婚しないってば!」



