二人に手を振って、未だに伊織達にメロメロな様子の笹原さん達と一緒に学校をあとにする。
放課後にクラスメイト達とこうして遊びに行くことは、小学生のときからの夢だった。
みんなに連れて行ってもらったカフェは、学校から十分ほど歩いたところにあるおしゃれなところだった。
笹原さん達はすっかり常連客のようで、メニューを見ずにスラスラと注文を決めていく。
「(ど、どれにしよう!このいちごのケーキも美味しそうだし、チーズケーキも食べたいし……!)」
「このレモンケーキも美味しいよ?ウチら毎回、いろんな種類を食べたいからみんなでケーキをシャアしてるんだけど、大安寺さんもシャアしない?」
「うん、シェアしたい!」
あぁ、楽しいよ!嬉しいよ!
ずっとこういうことがしたくてたまらなかった。
学校が終わって、放課後に仲のいい友達と一緒にカフェに行ったり、カラオケに行ったり。
学校であった嫌なことだとか、嬉しかったことなんかをみんなで共有していく。
……あぁ、夢のような時間にトキメキを隠せない!
私は最後まで悩んだ挙句、ジンジャエールとレモンケーキを注文して、パタリとメニューを閉じた。
「……ところで、大安寺さんってさ!あの伊織先輩と大和先輩と、どんな関係なの?」
「え?」
「あ!あたしもそれ気になってた!よくあの二人と一緒に帰ってるよね?」
「いや、でも同じクラスの陽太くんともずっと一緒にいるじゃない?仲良しなの?」
「あ、えっと、伊織達とは……えっと」
「先輩達を呼び捨てにできるなんて、めっちゃ仲良いってことじゃん!」
「好きなの!?ちなみに誰が好きなの!?」
「す、好き!?」
「聞かせてよぉ〜」
笹原さんや河野さん達の、怒涛の質問責めに、圧倒されてしまう。
こ、これが巷でよく言われる恋バナってやつだろうか。
今まで誰かに自分のことを聞かれたことも、話したこともないから、ついつい顔が赤くなってしまう。



