今日、伊織にずっとこの言葉が言いたかったんだ。
伊織はいつだって私を優先してくれて、私を大切にしてくれる。
でも、私は伊織自身の気持ちが知りたかった。
伊織の『あれがしたい』とか、『これが見たい』を、もっともっと知りたいと思った。
「伊織、もっとわがままになっていいよ!」
「……っ!」
「私が受け止めてあげる!だって伊織はこれまでずっと私のわがままを聞いてくれたからね!」
ドーンッと任せなさい!と付け加えて、自信満々に決めポーズをして見せた。
その姿に伊織はお腹を抱えて笑ってくれた。
「(今のポーズはちょっとダサかったかも……)」
「ねぇ、美桜ちゃん?」
「うん?」
「美桜ちゃんは、俺がわがまま言っても困らない?」
「困らない!困ったときはちゃんと言う!」
「……なるほど」
「だから伊織も、ちゃんと言うの!今何を思っているのか、何がしたいのか、どんなことをしてほしいのか、伊織の言葉で私にちゃんと伝えて?」



