結婚なんて、ゼッタイお断り!




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小学校一年生のとき、お父さんとお母さんが事故で亡くなってから、私はおじいちゃんの家に引き取られた。

おじいちゃんの家が、普通の家庭とは全然違うってことはすぐに理解した。


血のつながりのない、怖い顔したお兄さんたちのことを『家族』と呼ぶことも。

そんなお兄さんたちが、私のおじいちゃんのことを『組長』って呼ぶことも。

そして、私のことを『嬢ちゃん』って呼ぶことも。




私はここへ来てから、ずっと〝普通じゃない〟。

普通の女の子では、いられない。

今、それをひしひしと痛感している真っ最中だ。




「美桜、おじいちゃんの話をよく聞きなさい」

「お前がこれから通う中学、『城華学園』には美桜の婚約者たちがいる」

「彼らはお前に降りかかってくるどんな危険からも守ってくれるだろう」

「そして美桜、お前は中学校卒業までの三年間の間に、婚約者候補の中からたった一人、未来の旦那を選ぶのだ」



──どうやら私は三年後、誰かと結婚しなくちゃいけないらしい。