青にきらめく世界は、君の色でできている。



「……やっちまった……」


屋台がひしめく通りを抜けてひと気のない場所までやってきた俺は、一人で落ち込んでいた。


(音無さん、驚いてたよな)


あの先輩とは偶然会っただけだと、そう言っていた。

だけど俺は、二人の近過ぎる距離を見て……胸がざわついて、勝手に裏切られたような気持ちになってしまって。

目を逸らして、あの場から逃げ出してしまった。


(俺、すっげーカッコ悪い。ダサすぎる。色々と最悪だ……)


はぁ、と重たい溜息をもらしてしまう。


そんな時、ズボンのポケットに入れていたスマホが着信を知らせた。

それは病院からだった。母さんの勤務先でもある。

通話をタップしてスマホを耳に当てがえば、看護師らしき女性の声が聞こえてくる。