「それって、音無さんが図書館で借りてた本と、何か関係があるの?」
「え?」
「神様とかまじないとか、そういった類の本、ここ最近いっぱい読んでたよね?」
「……知ってたんですか?」
「うん。図書館に置いてあったのを偶然見ちゃったんだ。ごめんね」
「いえ、それは全然……!」
申し訳なさそうな顔であやまる高崎先輩に、わたしは首を横に振って気にしていないことを伝える。
「すごく真剣な顔で読んでるみたいだったから、気になってたんだ」
「そう、ですね」
わたしは、少し遠くの方に見える、屋台や灯篭の明かりにぼんやりと照らされている赤い鳥居を見つめる。



