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「青羽、本当に行っちゃうの?」
「うん、ごめんね」
わたしは、こっちゃんを含めたクラスの女の子たち数人と七夕祭りにきていた。
だけど用があるからと言って、途中で抜けさせてもらったんだ。
――わたしは今日、やらなくちゃならないことがある。
七夕の今日、不運な事故が起きることを知っているからだ。
わたしはそんな未来を変えるために、ここにいる。
そのために目的の人物をさがして歩いていれば、見知った人に声をかけられた。
「音無さん、こんばんは」
「あ、高崎先輩! こんばんは」
高崎先輩だった。
制服を着ているから、何かの用事で学校へ行って、そのままお祭りにきたのかもしれない。



