「……何だよ、その顔」 「べっつに~。そんなに気になるなら誘えばよかったのに、私の幼馴染は、意外と意気地がないんだなぁって思ってただけだよ」 みやびの言葉が、俺の胸にグサリと突き刺さる。 言われっぱなしなのはムカつくけど……その通り過ぎて、言い返す言葉も出てこない。 「気になるなら、さがしに行けばいいんじゃないの?」 「……いや、でも今日はみやびと行く約束してただろ」 音無さんのことが気になるのは本当だ。 だけど、みやびを置いて一人でさがしに行くほど、薄情な性格はしていない。