「うわ~。天の川きれいだねぇ。写真撮っておこ!」
だけど今、俺のとなりで楽しそうに夜空を見上げているのは、音無さんではない。
何故かみやびと七夕祭りに行くことが決まってしまった俺は、約束をすっぽかして(というか、そもそも俺は約束をしたつもりはないんだけど)自分の家でダラダラ過ごしていたのだが、みやびが家まで迎えにきたため、こうして七夕祭りに行くことになってしまった。
「ねぇ蒼空、知ってた? この神社って、実は縁結びの神様で有名なんだって!」
「へぇ」
「もう、ちゃんと聞いてるの?」
「聞いてるよ」
薄紫色の浴衣を着ているみやびは、長い髪もアップスタイルにしていて、いつもより大人っぽく見える。
だけど拗ねると、すぐに頬を膨らませて話す姿なんかは、昔から変わらない。
俺より一つ年上のはずだけど、存外子どもっぽいところがある。



