「改めまして、私は藤野みやびっていいます! 蒼空とは幼馴染なの。よろしくね」
「あ、わたしは音無青羽っていいます」
「青羽ちゃん! かわいい名前だねぇ。蒼空にいじわるとかされたらすぐお姉さんに言うんだよ?」
「あ、いえ、浅羽くんはいつも優しくしてくれて……でも、気にかけてもらえてうれしいです! ありがとうございます」
「っ、何このかわいい子……! ピュア過ぎてまぶしいんだけど……!」
音無さんの邪気のない笑顔を真正面から浴びたみやびは、口元を手でおさえながら悶えている。
挙動のおかしくなったみやびを見た音無さんは不思議そうにしていたけど、突然ハッとした顔になって、みやびに話しかける。
「あの、今ちょうど七夕祭りの話をしてたんです! 浅羽くん、藤野先輩と行きたいそうですよ!」
――音無さんが何を言ったのか、すぐには理解できなくて。
否定するのが遅れてしまった。
その間に、二人の間で話は進んでいく。



