青にきらめく世界は、君の色でできている。



「あれ、蒼空じゃん。帰り道で会うとかめずらしいね」


そのタイミングで現れたのは、今まさに話に登場していた人物でもある、みやびだった。

俺を見てから、となりにいる音無さんに視線を移すと、にまにまと気色の悪い笑みを浮かべて近づいてくる。


「ふーん、そういうことねぇ」

「……何、その気持ち悪い顔」

「ちょっと、可愛い幼馴染にむかってその言い草はないでしょ! 全くもう、そんなんじゃ好きな子にも愛想つかされちゃうんだからね」

「みやびには言われたくないから」

「も~、あー言えばこう言う……って、あ! 七夕祭りじゃん! 昔はいっしょによく行ったよねぇ。蒼空ってば、あのお星さま持って帰るんだとか言って、七夕飾りに必死に手をのばしたりしてさぁ」

「小さい頃の話だろ」


からかい顔で俺の肩を小突いていたみやびは、音無さんを見てにこりと笑いかける。