青にきらめく世界は、君の色でできている。



「あれ? もしかして……浅羽くんのお母さん?」


数メートル先に立っている声の主に気づいた音無さんが、あいさつをする。


「あの、こんにちは! わたしは音無青羽っていいます。浅羽くんとは同級生で、仲良くさせてもらっています」

「あら、ご丁寧にどうも……! 私は蒼空の母親です」


母さんは仕事帰りのようだ。その顔に疲れをにじませながらも、音無さんにあいさつされて嬉しそうに返事をしている。

だけど俺は、これ以上この場にいたくない。


「って、浅羽くん?」


後ろから音無さんの困惑した声が聞こえるけど、足を止めることはせずに、無言で母さんの横を通り過ぎる。

一瞬目が合った母さんは、さみしそうな顔で微笑んでいたような気がしたけど……そんなこと、俺には関係ない。


そのまま歩き続けていれば、背後から「えっと、わたしも失礼しますね!」と言う音無さんの声が聞こえてきた。