放課後。ぺったんこのリュックサックを背負って教室を出る。
基本的に、教科書は学校に置いたままだ。持ち帰ったところでどうせ使わないし。
だけど階段を下りていたところで、明日提出の数学の課題があったことと思い出す。
プリントは教科書にはさんだままだった気がするけど……まぁ、いいか。
俺は課題をあきらめることにして、さっさと家に帰るべく玄関に向かう。
しかしその途中、見知った後ろ姿を見つけて、思わず足を止めてしまった。
(音無さん)
よたよたとゆっくりした足取りで歩いている彼女の手には、たくさんの本が積み上げられている。
また教師の手伝いでもしているのだろうか。
お人好しが過ぎる気もするが、それが音無さんの良いところなんだろう。



