青にきらめく世界は、君の色でできている。



「……気持ちはうれしい、けど……悪いけど俺、だれかと付き合うとか、そういうのは考えてないから」


昨日彼女に言った言葉を思い出せば、罪悪感がわいてくる。

でも、だからといって、彼女の気持ちにこたえることはできない。


視線をそらしながらも、俺の正直な気持ちを伝えれば、音無さんは「はい」とおだやかな顔をしてうなずいた。

その声からは、悲しみとか落胆とか、そういった感情は感じない。

まるで、俺の答えが分かっていたみたいだ。


「だけど、後悔はしたくないので。浅羽くんに振られるって分かっていても、好きって気持ちを伝えたかったんです」


音無さんは、まっすぐな目をして俺を見る。

何だか目が離せなくて、おたがいに見つめ合っていれば、先に目をそらしたのは音無さんの方だった。