実際に、浅羽くんと藤野先輩が並んでいる姿を近くで目にするのははじめてだったけど――すっごく、お似合いだと思った。
わたしも、藤野先輩みたいにきれいだったら。
藤野先輩みたいに、浅羽くんのとなりに立っても堂々と胸を張れるくらいの自信があったら。
浅羽くんに釣り合うような、すてきな女の子だったら。
そんな“たられば”ばかりを考えてしまう。
でも……今のわたしには、わたしにしかできないことがある。
そのために、わたしはここにいるんだから。
(……あっ)
窓の外、校舎から遠ざかって行く浅羽くんの背中が見えた。
その後ろ姿をじっと見つめながら、願ってしまう。
――きみのとなりにいるのは、わたしじゃなくてもいいから。
きみの笑顔が、どうかこの先もずっとずっと、曇ることがありませんように。
すっとずっと、幸せでありますように……って。



