「蒼空!」
「……みやび」
腰元までのびた色素の薄い髪はサラサラで、顔は小さくて、目鼻立ちが整っている。
すらりとした手足に、高い身長。モデルさんみたいに、すごくきれいな人。
「校内で会うなんてめずらしいじゃん」
「まぁ」
「最近どうなの~? 家にも全然遊びにきてくれないしさぁ、心配してたんだからね」
「別に……ふつうだけど」
「えー、ふつうって何よ」
女の人は、浅羽くんのぶっきらぼうな返しに、ムッと頬をふくらませている。
わたしはチラリと、となりに立つ浅羽くんの表情を盗み見た。
そして、浅羽くんの表情を目にした瞬間――ズキリと、胸が切ない痛みをうったえてくる。



