「……ごめん」
「え、何が?」
「怖い思い、させたかと思って。俺は慣れてるけど……こういうことはよくあるし、音無さんはあんまり、俺といっしょにいない方がいいと思う」
さっき音無さんの友達にも言われてしまった言葉が、脳裏をよぎった。
そもそも、俺といっしょにいることで、音無さんに悲しい思いをさせてしまうんじゃないかって。巻き込んでしまうんじゃないかって。
そう、気づいてしまった。
だったら……はなれるなら、きっと早いほうがいい。
俺の話を聞いた音無さんは、何か考え込むような顔でだまりこんでいたけど、しばらくしてから、おもむろに口を開いた。



