「いや、音無さんを責めてるわけじゃないんだけど、その……ごめん」
だけど上手い言葉が出てこなくて謝れば、音無さんは、何故だかきょとんとした顔をしている。
間近で見て気づいたけど、音無さんの瞳の色は色素の薄いブラウンだ。まつ毛が長くて、目を瞬く度に、ふわりとゆれている。
きれいな人形みたいな目だなぁ、なんて、場違いにも見惚れてしまった。
「……やっぱり浅羽くんは、優しいね」
「は? ……優しいとかじゃなくて、心配するのは当たり前のことでしょ」
「ううん、当たり前なんかじゃないよ」
音無さんは、ブラウンの目を細めて微笑む。



