「浅羽くん、こんにちは」
「……うん」
「今日はよく会いますね!」
「うん。それはまぁ……そうだろうね」
今はお昼休み。階段の踊り場でボーッとしていたら、音無さんがやってきた。
今日はこれで、会うのが四回目になる。
いつもだったら、朝の登校中に少し話して、あとは校内ですれ違えば足を止めて一言二言会話を交わす程度なんだけど……。
「今日、何かあった?」
「え?」
「いや、わざわざ会いにくるくらいだから、何か話したいことでもあるのかと思って」
「えっと、それは……」
音無さんは、何て言おうかと迷っているみたいだ。
口を開いたり閉じたりしながら、目線をさまよわせている。



