「あー……」
浅羽くんは、悩ましげな声をもらした。
――どうしよう、困らせちゃったかもしれない。
「ご、ごめんね! 無理なら全然いいので!」
これ以上困らせたくなくて……嫌われたくなくて。
あわててそう伝えたけど、浅羽くんはふるりと首を横に振る。
「いや、全然無理とかじゃないんだけど……俺、メッセージとか返すのそんなに早い方じゃないし、幼馴染にはメッセージすらそっけないとか言われるんだ。それでも大丈夫?」
「っ、うん! だいじょうぶです!」
「それじゃあ、交換しよっか」
――よかった。困らせちゃったわけではないみたい。
浅羽くんはポケットからスマホを取りだした。青色のシンプルなスマホカバーが付けられている。
浅羽くんぽいなって、そんな些細なことを知れただけで、うれしくなる。



