「今、何話してたの?」
「え? 何って……別に、大したことは話してないよ?」
「……」
「あはは、浅羽くんはかなりのやきもち妬きみたいだね」
高崎先輩の言葉で、蒼空くんはますます怖い顔になる。
「そ、蒼空くん? あの、どうし……「そうだよ」
「え?」
「青羽が好きすぎて、だから、やきもちだって妬くにきまってる。分かってるなら、あんまり近づかないでくれる?」
蒼空くんは高崎先輩の顔をまっすぐに見てそう言い放つと、呆けているわたしの手をつかんでくる。
「ってことで、これからの青羽の時間は俺がもらうから」
蒼空くんに手を引かれて、ソファ席から立たされる。
「え、待って蒼空くん。支払いとかもあるし、二人だけ残していくわけには……!」
「ふふ、ここはご馳走するって言ったでしょう? 私たちのことは気にしなくていいから。青羽ちゃん、またゆっくりお話しましょうね」
「音無さん、また学校でね」
にこやかに手を振ってくれた二人に、戸惑いながらもぺこりと頭を下げて、わたしは蒼空くんに手を引かれるままに店を出た。
「――若いっていいわねぇ」
「浅羽くんのお母さんも、まだまだお若いじゃないですか」
「あら、ありがとう。あなたもまだまだこれからなんだから、めいいっぱい青春を謳歌するのよ?」
「はい、そうですね」



