「……って、蒼空くん!?」
そこにいたのは、息を切らした蒼空くんだった。
いつの間にきたんだろう。全然気づかなかった。
呼吸を整えた蒼空くんは、わたしたちを順に見ながら、低い声で問いかけてくる。
「どういうこと? 何この謎面子。何で母さんが青羽といっしょにファミレスにいるわけ? それに……」
そこで言葉を切った蒼空くんは、ギンッとするどいまなざしを高崎先輩に向ける。
「先輩がここにいるのが一番不自然な気がするんですが、理由を説明してもらってもいいですか」
「うーん、話せば長くなるんだけど……」
「は? 早く話してください。内容によっては先輩であろうとも容赦しませんけど」
「もう、蒼空ったら。学校の先輩相手にそんな口の利きかたしちゃだめでしょ」
「母さんは黙ってて」
蒼空くんは何故か怒っているし、先輩は面白がっているし、お母さんは楽しそうに笑っている。
……もしかして、こういう空間のことを“カオス”っていうんだろうか。



