(はぁ、もう九月に入ったのに、まだまだ暑い日が続きそうだなぁ)
わたしは、図書館に借りていた本を返却しにいった帰りだった。
家にアイスがあったはずだし、帰ったらテレビでも見ながらのんびり食べようかなぁ、なんて考えていたんだ。
だけど、その時。
ちょうど坂道を下り終えたあたりで、背後から、女性の小さな悲鳴が聞こえてきたの。
驚いたわたしが振り返れば、坂道をコロコロと、リンゴやら梨やらが転がってきたんだ。
あわてて拾い集めていれば、別の手がオレンジを拾って手渡してくれたんだよね。
「音無さん、久しぶりだね」
「高崎先輩!」
「俺も手伝うよ」
すぐに状況を察してくれたらしい高崎先輩は、転がり落ちてくる果物を拾うのを手伝ってくれた。



