「音無さんは何にする?」
「あ、それじゃあ、わたしは……アイスティーでお願いします」
「りょうかい。俺はアイスコーヒーにしようかな」
「それじゃあ私もアイスコーヒーにするわね。二人とも、お腹は空いてないの? ケーキセットなんかもあるわよ? ここは私がご馳走するから、遠慮しないで何でも好きなものを頼んでね」
「は、はい。ありがとうございます。――蒼空くんの、お母さん」
お昼時を過ぎた時間帯のファミレスは、比較的お客さんも少なく落ち着いている。
テーブル席に座っているのは、わたし、音無青羽と、高崎先輩と、蒼空くんのお母さんだ。
――どうして、こんな不思議なメンバーでファミレスにくることになったのかと言えば、話は十五分くらい前までさかのぼることになるんだけど。



