青にきらめく世界は、君の色でできている。



***


『まぁ、及第点(きゅうだいてん)ってところだな』


力が足りず、少女の身体を一時的に神域で休ませていた神様は、ようやく力が回復してきたので、少女を現世へと帰した。

そして、思いを伝え合う二人を桜の木の上から見つめながら、金色(こんじき)の目を細める。


(人間とは、弱く儚い生き物だ。しかしそれ以上に、(したた)かで愛情深く、ひたむきな実直さを持っている。……あぁ、これだから縁結びの仕事はやめられん)


神様は、人が好きだった。

幸福を詰め込んだような顔で笑っている人々の顔を見るのが、何より好きだった。

そして、愛する者と共にある時、人々が一等いい表情をすることを――縁結びの役目を全うしてきたこの神様は、よく知っていたのだ。


ふわり、ふわりと祝福の花びらを散らしながら、神様は穏やかな顔で微笑む。


そして、後日。

神社に参拝と称してお礼を言いにきた若き恋人二人の頭を、桜の匂いをはらんだ大きな手で、そっと撫でてやるのだった。