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『まぁ、及第点ってところだな』
力が足りず、少女の身体を一時的に神域で休ませていた神様は、ようやく力が回復してきたので、少女を現世へと帰した。
そして、思いを伝え合う二人を桜の木の上から見つめながら、金色の目を細める。
(人間とは、弱く儚い生き物だ。しかしそれ以上に、強かで愛情深く、ひたむきな実直さを持っている。……あぁ、これだから縁結びの仕事はやめられん)
神様は、人が好きだった。
幸福を詰め込んだような顔で笑っている人々の顔を見るのが、何より好きだった。
そして、愛する者と共にある時、人々が一等いい表情をすることを――縁結びの役目を全うしてきたこの神様は、よく知っていたのだ。
ふわり、ふわりと祝福の花びらを散らしながら、神様は穏やかな顔で微笑む。
そして、後日。
神社に参拝と称してお礼を言いにきた若き恋人二人の頭を、桜の匂いをはらんだ大きな手で、そっと撫でてやるのだった。



