『やめてもいいんだぞ?』
神様とて、けなげに一人の相手を想っている純粋な少女を、この世から消し去りたいと思っているわけではない。
しかし、何をするにも、代償はつきものだ。
何の行動も起こさず、努力もせず、願うだけでつかみとれる幸せなど、奇跡などは――この世に存在しない。
「いえ。わたしはどうなってもかまいませんから、今度はわたしが、彼を――浅羽くんのことを、救いたいんです」
『……そうか。分かった』
この神様は、“縁結び”の神様だ。
せめて、この少女が思いを成就させてくれれば、その願いを無事に聞き届けたということになり、タイムリープで失った力も多少は回復させることが出来るだろう。
『……己の手で、未来を変えてこい。武運を祈っているぞ』
そして神様は、少女に力を授けた。
――神様は、見てみたいと思った。
この少女が、そこまで恋い慕う相手とどのようにして心を通わせていくのかを。
そして、賭けてみることにしたのだ。
この少女が、真実の愛を証明してみせることに。



