「青羽、本当にもうだいじょうぶなのよね?」
「うん、だいじょうぶだよ。すっごく元気!」
にこりと笑ってピースサインを作れば、お母さんは呆れと安堵が混ざったような顔をして微笑んだ。
――行方不明になっていたわたしが、神社で見つかった後。
わたしはすぐに病院に連れていかれて、色々な検査をされた。
その後に、警察の人から事情聴取も受けた。
だけど、神様の力で過去にタイムリープしていて……なんて言ったら頭がおかしくなったと思われそうだから、仕方なく、記憶があいまいだと話した。
警察は事件の可能性も考えて捜査を進めていたみたいだけど、身代金の要求もなかったし、わたしが傷つけられた形跡なんかもなかったので、犯人の目的が分からず捜査は難航していたらしい。
だからわたしはお母さんに頼んで、捜査は打ち切りでだいじょうぶだと伝えてもらった。
多分だけど……お母さんはわたしが事件に巻き込まれたわけじゃないってことに、何となく気づいている気がする。
じゃなかったら、あんなにすんなり了承してもらえていないだろうし。



