でも、彼を目で追っているうちに、気づいてしまった。
浅羽くんは、きっと藤野先輩のことが好きなんだろうなって。
だって、藤野先輩を見る浅羽くん、すごく優しい顔をしていたから。
――だから、伝えるつもりはなかった。話しかける勇気もなかった。
ただ、遠くから見つめているだけで満足だった。
廊下とかですれ違えたら、あぁ今日はいい日だなって。
そんなささいなことで幸せを感じられちゃうくらいの、胸の中で秘めている淡い恋心だった。
だから、朝のホームルームの時間に、先生から浅羽くんが事故で亡くなったって聞いた時――目の前の色が、ぜんぶ消えちゃうくらいの衝撃を受けた。
すごく悲しくて、すごくすごく……後悔した。



