浅羽くんは思ったことをズバズバ言うタイプみたいだ。
わたしと正反対。
浅羽くんの言う通り、わたしは、自分の思いを言葉にして伝えるのが苦手だった。
相手はどう思うかなとか、こんなこと言ってめいわくじゃないかなとか、話す前からそんなことばかり考えちゃう。
「思ってることは、言葉にして伝えなきゃ意味ねーだろ」
だけど、この時の浅羽くんの言葉が――ずっとずっと、忘れられなくて。
その後、両親に塾に行きたくない理由を話した。
わたしはそのまま塾をやめることになったし、塾の先生も然るべき処分を受けたらしい。
そして、浅羽くんが同じ中学校に通う同級生だということも知った。
クラスも違ったから、話しかけるタイミングもないし、接点は全くなかったけど――気づけばわたしは、浅羽くんのことが好きになっていた。
ううん、もしかしたら、出会った時には好きって気持ちが芽生えていたのかもしれない。



