「ちょっと待って」
「あぁ? ……何だよ、ガキじゃん」
「男に興味はねーんだよ。さっさとお家に帰りな」
一人のお兄さんが、道をふさいでいる浅羽くんの肩を押した。
だけど逆にその手をつかんだ浅羽くんは、お兄さんの手を捻りあげる。
「いてててっ……!」
「ダセェまねしてんじゃねーよ」
「っ、てめぇ、オレらとやろうってのか!? って、うおっ!」
もう一人のお兄さんが、怒って浅羽くんに殴りかかろうとしたけど、浅羽くんの足に引っかかって盛大に転んでしまった。
「っ、オレらだってなぁ、そんなお子ちゃまに興味ねーんだよ!」
「はぁ、もう萎えたわ。行こうぜ。ガキはガキ同士で仲良くしてろよ」
転んでしまったお兄さんは顔を赤くしてまだ怒っていたけど、浅羽くんに腕をつかまれていたお兄さんの言葉で、二人そろって夜の街に消えていった。



