青にきらめく世界は、君の色でできている。



わたしが浅羽くんと出会ったのは、中学校に入学してすぐの頃だった。


当時、塾に通っていたわたしは、はじめて塾をサボって夜の街をふらふらしていた。

悪いことをしているって自覚はあったけど、塾でのことを考えるとお腹が痛くなってきて……だから塾に行ったふりをして、その後こっそり抜け出した。

これは、そんなわたしへの罰なんだと思った。


「君、まだ中学生くらいだよね? こんな時間に出歩いたりして、悪い子だなぁ~」

「オレらと遊ぼうぜ。お兄さんたちがいいとこに連れてってやるからさ」


ガラの悪そうなお兄さん二人にからまれてしまった。

バレたら困ると思って制服のブレザーはぬいでいたけど、それでも、わたしがまだ未成年だってことくらいすぐに分かるに決まってる。


怖くて、だけど声も出せなくて、何とか周りに助けを求めようと顔を向けた。

でも、近くにいた人は、皆知らんぷりをして通り過ぎていく。

そのまま路地裏に連れ込まれそうになった時――助けてくれたのが、浅羽くんだった。